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食事摂取基準2020 変更まとめ【Se・Cr・Mo】

食事摂取基準の2020年度版が出るけど、改定か所を全部調べる時間がない。忙しくて読めない。こんな悩みを抱えている栄養士さん向けの記事です。

食事摂取基準2020のセレン・クロム・モリブデンだけをまとめます。エネルギー・食塩等、ほかの栄養素が知りたい方はこちら

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この記事だけでは食事摂取基準の全てを把握できませんので、詳細は厚労省のHPをご確認いただくか、書籍 を購入下さい。

目次

セレン

男性
μg/日推定平均必要量推奨量耐容上限量
0~5か月15(目安量)
6~11か月15(目安量)
1~2歳1010100↑
3~5歳1015100↓
6~7歳1515150
8~9歳1520200↑
10~11歳2025250↑
12~14歳2530350↑
15~17歳3035400
18~29歳2530450↑
30~49歳2530450↓
50~64歳2530450
65~74歳2530450
75歳以上2530400
女性
μg/日推定平均必要量推奨量耐容上限量
0~5か月15(目安量)
6~11か月15(目安量)
1~2歳1010100↑
3~5歳1010100↓
6~7歳1515150
8~9歳1520200↑
10~11歳2025250↑
12~14歳2530300
15~17歳2025350
18~29歳2025350↑
30~49歳2025350
50~64歳2025350
65~74歳2025350
75歳以上2025350
↑:2015年度版から上昇
↓:2015年度版から低下  
・50歳以上の年齢区分が新設 

克山病の予防の観点から、推定平均必要量を設定。習慣的な摂取量がこれを下回ると重篤な欠乏症のリスクが生じる。

推定平均必要量の策定方法

  • 成人·高齢者:血奨グルタチオンペルオキシダーゼ活性値とセレン摂取量との関係を基に設定
  • 小児:成人の推定平均必要量の参照値の基になった推定体重と小児の性別及び年齢階級ごとの参照体重に基づき、体重比の0.75乗と成長因子を用いて外挿して算定

乳児(目安量):0~5か月児は、母乳中のセレン濃度に基準晴乳量を乗じて算定し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量と成人の推定平均必要量からの外挿値の平均値を基に設定

耐容上限量の策定方法

  • 成人,高齢者:毛髪と爪の脆弱化、脱落(セレン中毒)を指標とし、最低健康障害発現量を基に設定
  • 小児:成人の耐容上限量の参照値に性別及び年齢階級ごとの参照体重を乗じて設定
  • 乳児:設定は見送り

セレン摂取量が約50μg/日未満の場合に、 生活習慣病の発症リスクが高まる可能性はあるが、情報が不十分であるため、目標量(下限)の設定は見送り

定量的な情報が不十分であるため、目標量(上限)の設定はできないが、サプリメントを摂取してセレン摂取量を意図的に高めることは、 糖尿病の発症リスクを高めるため控えることを推奨

クロム

男性女性
μg/日目安量耐容上限量目安量耐容上限量
0~5か月0.80.8
6~11か月11
1~2歳
3~5歳
6~7歳
8~9歳
10~11歳
12~14歳
15~17歳
18~29歳1050010500
30~49歳1050010500
50~64歳1050010500
65~74歳1050010500
75歳以上1050010500
成人の耐用上限量が新設された
・50歳以上の年齢区分が新設 

指標設定の基本的な考え方食品からの摂取の必要性について疑問のあるクロムであるが、成人に関してはクロム摂取量に基づいて目安量を策定。サプリメントの不適切な使用が過剰摂取を招く可能性があることから、耐容上限量を策定

目安量の策定方法

  • 成人·高齢者:日本人の献立からクロム摂取量を算出した報告に基づき設定
  • 小児:摂取量に関する情報がないため、設定は見送り
  • 乳児:0~5か月児は、母乳中のクロム濃度に基準晴乳量を乗じて算定し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量を体重比の0.75乗を用いて外挿し、男女の値を平均して設定

耐容上限量の策定方法

  • 成人·高齢者:クロムサプリメント摂取者におけるインスリン感受性低下者の出現の結果を基に算定
  • 乳児小児:必要な情報がないため、設定は見送り

クロムを必須栄養素とする根拠は崩れつつあり、献立作成においてクロム摂取に留意する必要はない。サプリメントの利用は、耐容上限量未満でも望ましくない

モリブデン

男性
μg/日推定平均必要量推奨量耐容上限量
0~5か月2(目安量)
6~11か月5(目安量)↓
1~2歳1010
3~5歳1010
6~7歳1015
8~9歳1520
10~11歳1520
12~14歳2025
15~17歳2530
18~29歳2030↑600↑
30~49歳2530600↑
50~64歳2530600↑
65~74歳2030600↑
75歳以上2025600↑
女性
μg/日推定平均必要量推奨量耐容上限量
0~5か月2(目安量)
6~11か月5(目安量)
1~2歳1010
3~5歳1010
6~7歳1015
8~9歳1515
10~11歳1520
12~14歳2025
15~17歳2025
18~29歳2025↑500↑
30~49歳2025500↑
50~64歳2025500↑
65~74歳2025500↑
75歳以上2025500↑
↑:2015年度版から上昇
↓:2015年度版から低下 
・50歳以上の年齢区分が新設 
・成人の耐容上限量が増加

指標設定の基本的な考え方は出納実験から平衡維持量を推定して、推定平均必要量を設定

推定平均必要量と推奨量の策定

  • 成人·高齢者:アメリカ人男性を対象に行われた出納実験を基に、汗·皮膚からの損失量を考慮して算定
  • 小児:日本人における有用な報告がないため、アメリカ·カナダの食事摂取基準と同様に、小児の性別及び年齢階級ごとの参照体重に基づき、体重比の0.75乗と成長因子を用いて外挿して算定
  • 推定平均必要量の根拠となる出納実験の規模が小さいことを考慮し、推奨量算定係数を1.3に変更

目安量の策定方法

乳児:0~5か月児は、母乳中のモリブデン濃度に基準晴乳量を乗じて算定し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量と成人の推定平均必要量からの外挿値の平均値を基に算定

耐容上限量の策定方法

  • 成人·高齢者:アメリカ人男性を対象に行われた出納実験と日本の女性菜食者のモリブデン摂取量を総合的に判断して設定
  • 乳児小児:必要な情報がないため、設定は見送り

く活用に当たっての留意事項〉

通常の日本の食生活であれば、推奨量の10倍近いモリブデン摂取量になるため、献立の作成においてモリブデンの摂取に留意する必要はない

おしまい

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