ファスティングのエビデンスを栄養士が調べた【医学的根拠・効果】

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ファスティングが流行っていて効果は色々書いてあるけど、出典元が無い。専門職としては頭ごなしに否定せず、エビデンスは知っておきたいけど調べるのは大変だしな・・・

向上心はあるけど、忙しい・時間が無い栄養士や健康にかかわる方への記事です

✔本記事の内容

・ファスティングの文献を4本紹介
・病院栄養士、都ひとりごと

結論:ファスティングは減量には効果がありそう、安全性を含めた長期エビデンスは不足。対象外の方はいそう

栄養士として EBM・EBNを意識しながら10年以上働いている管理人の都(みやこ)が、 PubMedを使って検討しました

注意:時間のある方は出典元の文献を自身で読んで頂くのが確実です

文献の紹介(4本)

文献検索はPubMedを用いてます。下記内容で検索

  • 検索キーワードは「Fasting」
  • article type の「 Meta-Analysis 」に✔
  • publication date は「5 years」に✔

588件ひっかかりました(苦笑)。MeSHを考慮しなかったので、「空腹時」のキーワードで糖尿の文献が大量にひっかかっりました。目視で確認、タイトルで適合する文献を探すと4件が該当しました。順番に紹介します

Health Effects of Intermittent Fasting: Hormesis or Harm? A Systematic Review 断続的な絶食の健康への影響:ホルミシス(有益)または害?システマティックレビュー

学術誌:Am J Clin Nutr, 102 (2), 464-70 Aug 2015

impact factor:6.77 

PMID:26135345

summary

目的:治療的絶食療法がヒトに有益であるという質の高いエビデンスを特定する

セッティング:2015年までに公開された「断続的絶食」の検索により、ヒトの83件の研究を含む198件の論文が特定

結果:標準的な食事または介入なしのコントロールを使用した3件のランダム化比較臨床試験が特定されました。これら3つの試験の結果は5つの記事に掲載、2つの前向き観察研究がレビューの対象。ヒトの2つの観察臨床結果研究では、糖尿病の診断の低い有病率と関連していた。臨床結果の絶食に関するランダム化比較試験は特定されなかった

結論:質の高い設計と臨床的根拠を伴う絶食の臨床研究は、文献ごとにバラつきがある。少数のランダム化比較試験および観察研究が絶食による健康上の利益の存在を支持しているのに対し、健康介入としての絶食の使用が推奨される前に、ヒトにおけるさらなる研究が必要

ASPENの文献ですね。もうこれ一本で良いんじゃないかと思ってしまいました。次にいってみましょう。

Do Intermittent Diets Provide Physiological Benefits Over Continuous Diets for Weight Loss? A Systematic Review of Clinical Trials (断続的な食事は、減量のために連続的な食事よりも生理学的な利点があるか?臨床試験の系統的レビュー)

学術誌:Mol Cell Endocrinol, 418 Pt 2, 153-72 2015 Dec 15

impact factor :3.69

PMID:26384657

summary

目的:エネルギー制限は、さらなる体重減少を妨げる生理学的な適応を誘導します。したがって、減量中のエネルギーバランスは、エネルギー制限に対するこれらの適応反応を弱め、減量の効率(マイナスエネルギーあたりの体重または脂肪の減少量)を高める可能性があり、これらを検討する事

セッティング:MEDLINE、PreMEDLINE、PubMed、およびCinahlを体系的に検索し、「intermittent fasting:断続的な絶食」を含む食事療法を受けたあらゆる年齢またはBMIのヒトを含む40の文献から、エネルギー制限に対する適応反応を検討

結果:エネルギー制限の前後に、体重、BMI、または体組成の1つ以上を測定した文献をレビュー。40件の文献のうち31件は、1〜7日間の厳しいエネルギー制限の「intermittent fasting:断続的な絶食」に関連していた。断続的な絶食は、継続的なエネルギー制限と同様の効果をもたらし、体重、体脂肪量、除脂肪量を減少させ、グルコース恒常性を改善し、食欲を低下させる可能性があるが、エネルギー制限に対する他の適応反応を軽減したり、体重減少を改善したりすることはなかった。レビューされた文献のほとんどはこれらの結果を評価するためのデザインがありませんでした

結論:断続的な絶食は、体重減少のための継続的なエネルギー制限に対する有効なオプションとして明らかに優れているとは言えない

知らない雑誌ですが、体重減少が主要評価項目とされています。グルコースの恒常性を改善と記載されていますが、糖代謝の改善かな?次にいきましょう

Intermittent Fasting Interventions for Treatment of Overweight and Obesity in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis(成人の過体重と肥満の治療のための断続的な絶食介入:系統的レビューとメタ分析)

学術誌:JBI Database System Rev Implement Rep, 16 (2), 507-547 Feb 2018

impact factor:0.74

PMID:29419624

summary

目的:通常のケア治療または無治療と比較した場合の、成人の過体重および肥満の治療における断続的なエネルギー制限の有効性を調べること

設計:過体重または肥満(BMI≥25kg / m 2)の成人(≥18歳)、断続的なエネルギー制限は、少なくとも1日で800 kcal以下、ただし週に6日以下の消費と定義。断続的なエネルギー制限介入は、治療なし(自由食)または通常のケア(継続的なエネルギー制限)と比較(推奨エネルギー摂取量の約25%)。含まれた介入は、ベースラインから結果測定までの最短期間が12週間。含まれた研究の種類は、無作為化および疑似無作為化比較試験。このレビューの主要評価項目は、体重の変化

結果:レビューには6つ研究が抽出された。断続的なエネルギー制限の定義は研究間で異なり、隔日絶食、2日間の絶食、および週最大4日間であった。研究期間は3か月から12か月の範囲でした。メタ分析は、断続的なエネルギー制限が体重減少の治療なしよりも効果的であることを示しました

結論:断続的なエネルギー制限は、肥満治療に効果的かもしない。断続的なエネルギー制限は、肥満の成人における短期間の体重減少の継続的なエネルギー制限に匹敵。断続的なエネルギー制限は治療なしよりも効果的であることが示されましたが、これは少数の研究のために慎重に解釈されるべきで、追加の研究が必要

これもレビュー論文です。IFが低い・・・。次にいってみましょう最後です

Intermittent Versus Continuous Energy Restriction on Weight Loss and Cardiometabolic Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials(減量および心血管代謝転帰に対する断続的対連続的エネルギー制限:無作為化対照試験の系統的レビューおよびメタ分析)

学術誌:J Transl Med, 16 (1), 371 2018 Dec 24

IF:4.09

summary

目的:断続的エネルギー制限(IER)の有効性に関する最新のエビデンスと、減量、体組成、血圧、およびその他の心血管代謝危険因子に対する継続的なエネルギー制限をまとめる

セッティング:2018年5月まで、MEDLINE、Cochrane Library、TRIPデータベース、EMBASE、CINAHLからランダム化比較試験を体系的に検索しました

結果:すべてのRCTは、介入中のIER群の体重減少を報告。IERでは、空腹時インスリン濃度の低下が認められたが、この結果の臨床的関連性は不明。重大な有害事象は報告無し。少数の研究で、エネルギー不足、頭痛、冷感、便秘、口臭、集中力の欠如、気分が悪いなどの身体的または心理的悪影響が、IERの少数の参加者(<20%)で報告された

結論:断続的および継続的なエネルギー制限は、減量と代謝改善の促進において同等の効果を達成しました。決定的な結論を引き出すには、長期の試験が必要

本文には「「ファスティング」日を特徴とする5:2の食事と、隔日絶食、隔日修正絶食、または「ファスティング」日と「摂食」日が交互に行われる他の日の断食。一般に、「ファスティング」日中、エネルギー摂取は厳しく制限され、食物からの完全な禁止から、おおよそ75%のエネルギー制限に相当する1日の最大摂取量にまで及びます。したがって、「ファスティング」という用語は、多くの場合、カロリー摂取による真の完全な禁食を伴いません。」とありました。2018年時点でも手法は統一されて無さそうです。

管理人、都(みやこ)の感想

ネットにあるような睡眠がよくなる、肌がきれいになる等は見受けられませんでした(だから効かないかは分かりませんが)

ヒト試験ではファスティングの方法と主要評価項目がバラバラで、何に対してどう有効かは分からないといった感じ(肥満に対しての減量がメインではありそう)。

安全性についてはデータが不足しています。ファスティングが減量の方法として有益な可能性はあるが追加の臨床研究が必要といった感じでしょうか・・・。医学・栄養学・統計・論文精査を出来るようになってから再度試みたいです。

私のフィールドは臨床栄養なので、もし患者さんから質問を受けたら回答せねばなりません。少なくとも対象外の方を想定しておいて損はないと思いました(発育中、フレイルティ、SU剤やインスリンを打っている、LESをする程の肝硬変とか)

おしまい

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