病院栄養士が国家試験過去問を解く【臨床栄養のみ】vol.7

臨床栄養ライフ

栄養士の卵さんは勉強の足しに。 この記事を読んでおられる現役の栄養士さんは読み物として、気軽に読んで頂ければ幸いです。

✔本記事の内容

第33回管理栄養士国家試験の臨床栄養の分野のみ

過去問は第33回管理栄養士国家試験を参照することにしました。厚生労働省のホームページからの印刷です。解答も同ホームページを参照しました。※厚労省のHPでは公開が終了しています

解説はこの記事を書いている都が行いました

問題①(国試番号81)

鉄の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ

  1. 消化管における非ヘム鉄の吸収率は、ヘム鉄と比べて高い
  2. 消化管における非ヘム鉄の吸収率は、鉄欠乏により低下する
  3. 体内の総鉄量の大部分は、貯蔵鉄として存在する
  4. 体内の機能鉄の大部分は、骨格筋に存在する
  5. 赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビンの合成に再利用される
  1. ×
  2. ×
  3. ×
  4. ×
  1. × ヘム鉄は肉などタンパク質に結合、非ヘム鉄はほうれん草などに多く含まれ、無機鉄と言われます。肉の方が人間の体に近い動物性なので吸収率が良い と覚えては。最近の研究ではヘム鉄は50%、非ヘム鉄の吸収率は15%とされている。J Nutr. 2010 Dec;140(12):2162-6.
  2. × 鉄の体内需要が高まると吸収率が上がると言われています(例:妊娠時)
  3. × ヘモグロビンの材料になっており、これが一番多い(このために鉄は存在している)
  4. × 機能鉄は鉄の本来の役割、つまりヘモグロビンの材料となる事です。よってヘモグロビンに大部分が存在する
  5. 〇 
問題②(国試番号82)

水と電解質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ

  1. 成人男性の血漿量は、体内水分量の約70%を占める
  2. 糖質と脂質、各々1gから生成される代謝水は、同量である
  3. 不感蒸泄には発汗が含まれる
  4. 水分欠乏型脱水では、血漿浸透圧が低くなる
  5. バソプレシンの分泌は、体内水分量が不足すると促進される 
  1. ×
  2. ×
  3. ×
  4. ×
  1. × 血漿量は体内水分の約12%です。体内水分の最も多い比率は細胞内液です。細胞内液は血液ではありません
  2. × 糖質は1 g当たり約0.5、脂質は1 g当たり約1g、タンパク質は1 g当たり約0.4の代謝水を生成
  3. × 不感蒸泄の定義は「発汗以外の皮膚および呼気からの放出する水分」
  4. × 水分欠乏型脱水は、細胞外液(血漿を含む)の水が減り、もともとの細胞外液中に存在していた物質があるため、血液が濃くなる(浸透圧があがる)。
問題③(問題番号83)

エネルギー代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ

  1. メッツ(METs)は身体活動時のエネルギー消費量を基礎代謝量で除して求める
  2. 身体活動レベル(PAL)は、1日の総エネルギー消費量を安静時代謝量で除して求める
  3. 体内におけるたんぱく質の燃焼量は、尿中に排泄された窒素量から求める
  4. 呼吸商は、酸素消費量を二酸化炭素排出量で除して求める
  5. グルコースが燃焼した場合の呼吸商は0.7である
  1. × 
  2. ×
  3. ×
  4. ×
  1. × メッツ(METs)は運動強度を現した単位です。消費エネルギーの算出に使います。参考:国立栄養研究所
  2. × PALは日常生活の活動強度(活動した度合い)をあらわしたもの。消費エネルギーの算出に使います
  3. 〇 設問通りですね。24時間蓄尿で調べることが出来ます
  4. × 呼吸商=単位時間当たりのCO2排出量÷単位時間あたりのO2消費量
  5. × 呼吸商の糖質は=1.0で、脂質が≒0.7

出典:日本人の食事摂取基準2020 p76

問題④(国試番号84)

動的栄養アセスメントの指標である。正しいのはどれか。1つ選べ

  1. BMI(kg/m2)
  2. 上腕三頭筋部皮下脂肪厚
  3. 血清トランスフェリン
  4. クレアチニン身長係数
  5. 遅延型皮膚過敏反応
  1. ×
  2. ×
  3. ×
  4. ×

栄養療法を行った結果の判定に用いられるの短期的な指標を動的栄養アセスメントをいいます。ここでいう短期とは日にち単位の事

  1. × BMIは身長と体重から算出される値なので、短期的に変わらない
  2. × 皮下脂肪厚は、栄養によって短期的に変わらない
  3. 〇 血清トランスフェリンは半減期(状態が血液に反映される期間)が約7日なので動的アセスメントとされる
  4. × クレアチニン身長係数は1日尿中クレアチニン排泄量から算出する係数で、骨格筋量を推定する。骨格筋は日にち単位であまり変動しないので(減るのは結構早いが)
  5. × いわゆるツベルクリン反応がよく用いられます。5~10mmで軽度、5mm未満で中等度以上の栄養障害が疑われます。日常業務で使用していないので解説困難です申し訳ありません。定性的な検査だからでしょうか
問題⑤(国試番号95)

サルコペニアに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ

  1. 握力は、低下する
  2. 歩行速度は、保たれる
  3. 加齢が、原因となる
  4. 食事の摂取量低下が、原因となる
  5. ベッド上安静が原因となる

〇→設問の内容が正しい、×→設問の内容が誤り

  1. ×

サルコペニアは加齢により骨格筋が萎縮する事です。活動量低下、エネルギー・たんぱく質摂取不足なども影響します

  1. 〇 骨格筋が萎縮するので、握力は低下します
  2. × 骨格筋が萎縮するので、足の筋肉が落ちて歩行速度は落ちます。サルコペニアの診断に歩行速度が使われます
  3. 〇 
  4. 〇 食事摂取量が低下することにより、エネルギー・たんぱく質不足におちいって、サルコペニアを誘発させます
  5. 〇 ベッド上安静が活動量低下を招き、サルコペニアを誘発させます。病気・けがの治療のためにベッド上安静となり、意図せずサルコペニアに陥る事も多いです
管理人の都
管理人の都

「動的アセスメント」という言葉は私の周りでは使われていない言葉です。動的栄養アセスメントに使いにくいと言われているALBも急性期病院では病態の評価によく見ますので、動的・静的として単に言葉だけで暗記するのは、後々困るのでオススメできません

つづく

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