病院栄養士が国家試験過去問を解く【臨床栄養のみ】vol.13

臨床栄養ライフ

栄養士の卵さんは勉強の足しに。 この記事を読んでおられる現役の栄養士さんは読み物として

✔本記事の内容

第33回管理栄養士国家試験の臨床栄養の分野のみ

過去問は第33回管理栄養士国家試験を参照することにしました。厚生労働省のホームページからの印刷です。解答も同ホームページを参照しています。

解説は現役管理栄養士の都が行いました

問題番号①(国試番号142)

褥瘡に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ

  1. 大転子部は、後発部位である
  2. 貧血は、内的因子である
  3. 十分なたんぱく質の摂取量が必要である
  4. 亜鉛の摂取量を制限する
  5. 30度側臥位は、予防となる

※文章が誤っている設問に×

  1. ×
  1. 〇 圧迫を持続的に受けるとそこが血流が悪くなり、様々な要因がからんで褥瘡ができます。圧迫をうけやすい身体の箇所に褥瘡が出来やすいです。仙骨部、尾骨部、大転子部、踵骨部が代表的ですね。追加の下図も確認下さい
  2. 〇 貧血になると、酸素を運搬している赤血球が少なくなり、皮膚が酸素不足になりやすく、褥瘡ができやすくなります
  3. 〇 褥瘡学会が出している褥瘡予防ガイドラインのCQ4-2にて高たんぱく質のサプリメントにより補給を行う事がすすめられています 
  4. × 褥瘡予防ガイドラインのCQ4-10に疾患を考慮したうえで、補給してもよい とされています
  5. 〇 褥瘡予防ガイドラインのCQ9-3に30度側臥位、90度側臥位ともに行うように勧められています
褥瘡の好発部位

問題番号②(国試番号186.187)

次の文を読み「A」「B」の設問に答えよ

K総合病院に勤務する管理栄養士である。緩和ケアチームによるラウンドを行っている。

 患者は73歳、男性。昨年、膀胱がんに対して手術を行った。先月来院時に肺への転移が確認され、積極的治療を希望したため、再入院し、1か月の抗がん剤治療を開始した。

 再入院時の身長162cm、体重60kg、血圧136/80mmHg、空腹時検査値は、赤血球410万/μL、アルブミン3.7g/dL、尿素窒素14mg/dL

A

治療開始後より、嘔気が出現し、食欲が低下してきたため、これまでの一般食の食事内容を見直した。見直し後の食事内容の1例として、最も適切なのはどれか。1つ選べ

  1. ごはん、鮭のホイル焼き、肉じゃが、りんご
  2. 全粥、かれいの煮魚、切り干し大根の煮物、リンゴゼリー
  3. ピザトースト、グラタン、コーンスープ、りんご
  4. ざるそば、冷奴、小松菜のお浸し、りんごゼリー

4.

難しい設問ですが、抗がん剤治療を開始し、治療開始後に嘔気がでています。抗がん剤治療中の嘔気を誘発する原因の一つに、たんぱく質が多い品物があります。設問4のみ、たんぱく質が多い食品がないので、4になると思われます。

しかし、全ての患者さんにこの対応が有効なわけではありませんので、実臨床では注意が必要です

B

治療開始1週間後に、さらに嘔気が強くなり、食事摂取量が必要栄養量の1/3以下となり、体重も1週間で3%以上減少した。この時点での栄養管理の方針である。最も適切なのはどれか。1つ選べ

  1. 嗜好を重視して食事摂取量の増加を図る
  2. 経鼻経管チューブによる経腸栄養法を開始する
  3. 胃瘻による経腸栄養法を開始する
  4. 中心静脈栄養法を開始する

2

「食事摂取量が必要栄養量の1/3以下となり、体重も1週間で3%以上減少」とありますので、嗜好を重視した対応はすでに行っていると考えられます、また、大幅に栄養量が不足し抗がん剤治療が終われば食事での摂取が戻る見通しもあることから、強制栄養(静脈・経腸)が適応になります。よって2~4の設問に選択肢が絞られます。

設問2・3は経腸栄養、設問1は静脈栄養です。消化管が使える場合は経腸栄養の方が生理的ですので、経腸栄養が優先されます。よって、2or3の設問に選択肢が絞られます。

経鼻移管チューブか胃瘻のどちらが適切かを考え、問題を選択します。経口摂取不良が長期(4週以上が目安)になると予想される場合に胃瘻が選択されます。今回は抗がん剤治療による摂取不良ですので、抗がん剤治療が終われば摂取できそうなので、経鼻胃管を選択することが適切なので設問2が適切

参考:静脈経腸栄養ガイドライン

つづく

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