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臨床栄養・上級者への道【Tips】Vol.3

病院で働きだして業務に慣れた。養成校時代の教科書では物足りなくなってきた3~4年目以降の栄養士、病棟での栄養管理に興味を持ち始めた医療職向けの記事で、そのVol.3です

記事を書いている私は、栄養士として10年以上の経験があります。 私がTwitterで発信している「1日ひとつだけ強くなる」をまとめました。

この記事は体系的ではありませんので、知らないトピックスがあれば、さらに調べてご自身の学習を進めるきっかけ作りに活用いただければと思います 。Vol.2は下記

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臨床栄養・上級者への道【Tips】Vol.2 | 臨床栄養のファイルボックス 病院で働きだして業務に慣れた。養成校時代の教科書では物足りなくなってきた3~4年目以降の栄養士、病棟での栄養管理に興味を持ち始めた医療職向けの記事で、そのVol.2で...

✔本記事の内容

臨床栄養の35トピックス

71日目

窒素バランス
「タンパク質摂取量(g)/6.25」-「尿中尿素窒素排泄量(g/日)×5/4」
「たくさんタンパク質付加してるのにな〜」って時にチェック。
マイナスであればタンパク質投与量が不足している。入院日に計算したタンパク質の必要量(目標)を見直し

72日目

🐒生物の特徴🌲
✅動き
✅排泄
✅呼吸
✅生殖
✅刺激の受容
✅成長
そして、✅栄養摂取っ!
自分の仕事の大枠を一応知っておく。木を見て森を見ずにならないよう😑
ヒトに大切な仕事をさせて貰ってると感謝

73日目

耐糖能異常時の経腸栄養剤の種類
①糖質エネルギー比を低下
②糖の質をかえる
③食物繊維リッチ
高血糖になったらすぐに変更するのではなく、原因が栄養剤であるなら変更 としたい
私は①を1番使います。グルセルナですね。但し尖った組成なので使いにくい😑

74日目

TPNキット製剤は2000mlの投与で1日のビタミン、微量元素が充足される設計
体格が小さいからと1000ml/日の投与だと不足が出てしまう。
ワンパルやエルネオパの事ですね。私は一週間この不足が続く見通しとなった場合は対策をあらかじめ主治医に伝えてます

75日目

術後のガム摂取は、麻痺性イレウス予防の効果あり
唾液分泌が促進され、消化液の分泌が促進、消化管蠕動運動が亢進。
覚醒不良、嚥下障害には無理に摂取させない。
胃切除後もダメですね、誤って飲み込んだ時に消化できてないガムが腸に行く

76日目

心不全用の経腸栄養剤、2.0kcal/mlの品が紹介される事がある
実際には目標水分量、エネルギー等から適した品を選んで結果、2.0kcalタイプが選ばれる
なので心不全=高濃度とはならない
高濃度栄養剤は追加水で水が調整出来る。患者さん側のデメリットなし

77日目

糖類で血糖値を上げやすい順
ブドウ糖>ショ糖>果糖。
果糖は肝臓でブドウ糖に変換、同量ならブドウ糖より甘味が強いらしい

78日目

私的・食事摂取基準2020 変更点サマリ
1.変更されていな箇所が多く、その重要性を忘れない
2.変更点、理由も把握
・栄養素:たんぱく、飽和脂肪酸、VitD
・対象特性:特に高齢者フレイル
・生活習慣:特に糖尿病

79日目

憩室の食事療法
憩室炎を起こしている場合は抗菌薬・食事制限。重症例では禁食
大腸憩室炎に対して腸管安静や食事制限の効果を検討した臨床研究は無い😭
疫学では予防について検討、高繊維が予防に適するかは一定の見解無し。プロバイオティクスはいいかも

80日目

アスパルテームは,用途だけではなく特別な表示が必要
アスパルテームを構成するアミノ酸、フェニルアラニンは、フェニルケトン尿症の患者には毒性がある.そのため,「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)」と表示する義務がある😲
 らしい

81日目

経腸栄養後の水様便の対応
まず、「この水様便は臨床上問題のある下痢か」を確認
腸管動かす系の薬が処方されてたりもする
半固形に変えても経腸栄養剤が原因では無い下痢だったら改善しないので「栄養剤変更は効かない」と思われるように😑
確認、確認

82日目

経腸栄養剤の浸透圧性の下痢
エレンタールが浸透圧性が高いですね(780mOsm/L)。
しかし、私の技術では下痢の種類までは区別出来ないので、結果論で「浸透圧性の下痢だったのかな?」という感じ😩
エレンタールは濃く溶解するとさらに浸透圧が上がる

83日目

半固形流動食
2,000〜20,000mPa・Sまで物性が色々ある。
お世話になっているが、消化管の手術をした患者さんには一応、適応外となっている。体感では効果はある🥴
ちなみに粘度は測定方法が統一されていないので、違うメーカー同士の品は単純比較できない

84日目

経腸栄養剤に含まれるNaは食事と比べると少ない
なのでin take不足による低Naを経験することがある
食塩を追加する場合は、食塩水➡︎白湯フラッシュ➡︎栄養剤の順
塩が栄養剤と混ざって固まる事がある。教科書的には塩析予防に3g以下の添加まで

85日目

透析患者さんの塩分
血清Na濃度140mEq/Lは食塩水に換算すると8.2g/Lに相当。8.2gの食塩水が体内に蓄積すると1Lの体液が貯留する事になる(透析患者)
食塩制限をする事により血圧は低下し、体液量が正常化し口渇が抑えられる

86日目

末消静脈栄養の適応の原則
「栄養状態が比較的良好な症例に対して、2週間以内を目安に短期間の栄養状態を維持する場合」が教科書的なこたえ
すでに低栄養であったり、栄養不足解消の目処が立たない場合はメイン栄養ルートを検討・相談

87日目

20,000Pas以上の半固形栄養剤が何故無い?
粘度が強過ぎると胃酸と混ざらず栄養剤の上に胃酸の層が形成(アシッドポケット)
胃内容物が胃液と逆流して気管支へと流れると、胃液は強酸性なので炎症が発生し重篤になる(メンデルゾーン症候群)ので危険

88日目

イントラリポスはビタミンK含有
✅イントラリポス10%250mlには97.7μg
✅イントラリポス20%100mlには69.9μg
凝固系に異常があるときは慎重に。しかし必須脂肪酸欠乏リスクが高いときは投与頻度・速度を協議して開始

89日目

薬品栄養剤の添付文書に速度の記載
「投与開始時は,通常1日当たり400mL (400kcal)を水で希釈(0.5kcal/mL程度)して,低速度(約100mL/時間以下)で投与…」
ラコールの添付文書から一部抜粋。エネーボも同様の記載がありますが、栄養剤の内容は結構異なります

90日目

血液透析で除去されるのは半透膜を通過できる小分子量物質(K+、Pi、Mg2+、Ca2+、尿素等)アルブミンは分子量が大きいので通過できず除去されない
しかし透析が充分に行われず、尿毒症状態が続くと体タンパクの異化がおこり、体は消耗しアルブミンは低下

※アルブミンが通過する半透膜もある

91日目

末消静脈輸液(ビーフリード等)には維持液を基本組成としてアミノ酸とビタミンB1を含む品がある
ビタミンB1はビーフリードは1.92、パレプラスは3.81、アミノグランドは2.0mg/L
維持量程度なので、refeeding synの時に使える程では無い。

92日目

日本の高カロリー輸液用微量元素製剤(エレメンミック等)にはセレン、クロム、モリブデンは入っていない
ちなみにクロムの欠乏症は耐糖能障害,体重減少,運動失調,および末梢神経障害(MSDマニュアル)
これは難しい ・・・

93日目

シンバイオティクス時のビオフェルミンR、抗菌薬の耐性はペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸が該当
抗菌薬がきれたら適応外に
となれば、思考停止で殆ど全部に耐性のあるミヤBM が便利

94日目

ファスティングで引っかかってくるキーワード
「断続的な絶食」、「断続的な断食」、「定期的な絶食」、「断続的なエネルギー制限」。“Intermittent fasting”, “Intermittent fasting”, “Regular fasting”, “Intermittent energy restriction”.
邦訳造語?

95日目

輸液でのブドウ糖投与速度、感染症や侵襲時には4.0mg/kg/min
なにも無ければ5.0mgとガイドラインには記載。で、この侵襲の境目は明記されていない。感染や侵襲で糖代謝異常がある時に私は気にしています。
念のため経腸栄養でも

96日目

プレアルブミンはアルブミンよりは低分子であり,腎からの排泄もあるので,腎不全では高値傾向となる。
ちなみに肝臓で合成されるので、重症肝障害、感染症等で低下

97日目

2ー3日程度の短期的な栄養評価をしたいけど、プレアルブミン(トランスサイレチン)は測定出来ていない時😦
総コレステロールの半減期は1〜3日なので、これで代用。エネルギーが満たせているかは使える(?)😐

98日目

汎血球減少の時に食欲不振が多い印象
汎血球とは血液中の赤血球・白血球・血小板の全ての成分。基本の血液検査である程度わかります
脾摘後とかに多い印象だけど、過去の事だと当たり前とされる事が多い
今日は印象論🥴

99日目

脂肪を摂取していない状況では、小児では約2週間、成人でも約4週間で必須脂肪酸欠乏が起こるという報告がある
20%脂肪乳剤を50ml/日もしくは、100〜250mlを2回/週で予防可。脂肪投与出来ない状況以外は投与で良い

100日目

必須脂肪酸欠乏(n6)の症状
・魚鱗癬状皮膚状況
・血小板減少
・脂肪肝
etc…

どれも他の要因で起こるが、魚鱗癬状皮膚は脂肪酸欠乏でより増悪する印象。で、脂肪投与してもすぐには改善しない。診断は栄養士には難しい。せめて栄養に関わる所は押さえたいが

つづく

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