診療報酬の改定がある!でも、忙しくて何百枚もある報告書を読めない!栄養士の箇所だけ知りたい。時間の無い病院栄養士(または医療関係者)向けの記事です。
本記事では2022年2月09日に公表された厚労省のHPにある「中央社会保険医療協議会 総会(第516回) 議事次第」からのまとめです。
個人が勝手にまとめたブログ記事ですので、これらの業務を行われる方は原文を参照される事をオススメします
早期栄養介入管理加算の見直し
出典:議事次第56ページから
入院患者に対する入室後早期の栄養管理について、経腸栄養の開始の有無に応じた評価に見直す
入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、入院栄養食事指導料は別に算定できない。
当該治療室において早期から栄養管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
救命救急入院料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料又は小児特定集中治療室管理料を算定する病室について、早期栄養介入管理加算を算定可能とする
上記項目に対しても算定要件の追加、施設基準の追加について同様の項目が示されています。
中心静脈栄養の実施に係る療養病棟入院基本料の見直し
出典:議事次第92ページから
療養病棟における中心静脈栄養を実施している状態にある患者について、当該病棟が患者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制を有していない場合においては、療養病棟入院基本料の医療区分3の場合の点数に代えて、医療区分2の場合に相当する点数を算定することとする
地域包括診療料等における対象疾患等の見直し
出典:議事次第134ページから
- 地域包括診療料等の対象疾患に、慢性心不全及び慢性腎臓病を追加する。
- 患者に対する生活面の指導については、必要に応じ、医師の指示を受けた看護師や管理栄養士、薬剤師が行っても差し支えないこととする。
- 患者からの予防接種に係る相談に対応することを要件に追加するとともに、院内掲示により、当該対応が可能なことを周知することとする。
(3) 当該患者を診療する担当医を決めること。担当医は、慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師とし、担当医により指導及び診療を行った場合に当該診療料を算定する。なお、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の計測、飲酒、その他療養を行うに当たっての問題点等に係る生活面の指導については、必要に応じて、当該医師の指示を受けた看護師や管理栄養士、薬剤師が行っても差し支えない。
薬局に係る退院時共同指導料の見直し
出典:議事次第194ページから
退院時共同指導について、患者が入院している医療機関における参加職種の範囲を医療機関における退院時共同指導料の要件に合わせ拡大する。また、薬局の薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導に参加する場合の要件を緩和する
保険医療機関に入院中の患者について、当該患者の退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、当該患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医又は保健師、助産師、看護師、准看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回に限り算定する。
周術期の栄養管理の新設
出典:議事次第202ページから
全身麻酔下で実施する手術を要する患者に対して、医師及び管理栄養士が連携し、当該患者の日々変化する栄養状態を把握し、術前・術後における適切な栄養管理を実施した場合の評価を新設する
(新設) 周術期栄養管理実施加算 270点
- 手術の前後に必要な栄養管理を行った場合であって、マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術を行った場合は、周術期栄養管理実施加算として、270点を所定点数に加算する。
- この場合において早期栄養介入管理加算は別に算定できない。
- 当該保険医療機関内に周術期の栄養管理を行うにつき十分な経験を有する専任の常勤の管理栄養士が配置されていること。
- 総合入院体制加算又は急性期充実体制加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。
栄養サポートチーム加算の見直し
出典:議事次第203ページから
栄養サポートチーム加算を算定できる病棟に、障害者施設等入院基本料を算定する病棟を加える
病棟における栄養管理体制に対する評価の新設
出典:議事次第205ページから
管理栄養士が、特定機能病院入院基本料を算定している患者に対して、栄養スクリーニング、他職種とのカンファレンス等の実施による栄養管理を行った場合の評価を新設するとともに、当該患者に対して退院後の栄養食事管理に関する指導を行い、入院中の栄養管理に関する情報を他の保険医療機関等に提供した場合について更に評価する。
(新) 入院栄養管理体制加算(入院初日及び退院時) 270点
特定機能病院入院基本料を算定している患者
- 入院している患者(特定機能病院入院基本料を現に算定している患者に限る。)に対して、管理栄養士が必要な栄養管理を行った場合に、入院初日及び退院時にそれぞれ1回に限り所定点数に加算する。栄養サポートチーム加算及び入院栄養食事指導料は別に算定できない。
- 入院中の栄養管理に関する情報を示す文書を用いて患者に説明し、これを他の保険医療機関、介護老人保健施設等又は福祉型障害児入所施設と共有した場合に、退院時1回に限り、栄養情報提供加算として50点を更に所定点数に加算する。
- 当該病棟において、専従の常勤の管理栄養士が 1 名以上配置されていること。
- 入院時支援加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。
- 栄養情報提供加算の対象患者は、疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する特別食を必要とする患者、がん患者、摂食機能若しくは嚥下機能が低下した患者又は低栄養状態にある患者であること。
褥瘡対策の見直し
出典:議事次第207ページから
入院患者に対する褥瘡対策について、薬剤師又は管理栄養士が他職種と連携し、当該患者の状態に応じて、薬学的管理や栄養管理を実施することに関し、診療計画への記載を求める。
【入院基本料及び特定入院料に係る褥瘡対策】
褥瘡対策の診療計画における薬学的管理に関する事項及び栄養管理に関する事項については、当該患者の状態に応じて記載すること。必要に応じて、薬剤師又は管理栄養士と連携して、当該事項を記載すること。なお、診療所にお
いて、薬学的管理及び栄養管理を実施している場合について、当該事項を記載しておくことが望ましい。
栄養管理については、栄養管理計画書をもって記載を省略することができる。ただし、栄養管理計画書に体重減少、浮腫等の有無等の褥瘡対策を記載していること。
生活習慣病管理料の見直し
出典:議事次第272ページから
- 生活習慣病患者に対する生活習慣に関する総合的な治療管理については、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施しても差し支えないことを、生活習慣病管理料の算定に当たっての留意事項に明記する。
- 糖尿病又は高血圧症の患者について管理方針を変更した場合に、患者数の定期的な記録を求めないこととする。
- 生活習慣病患者は、患者ごとに薬剤料が大きく異なっている実態を踏まえ、投薬に係る費用を生活習慣病管理料の包括評価の対象範囲から除外する。
改定案【生活習慣病管理料】
- 脂質異常症を主病とする場合570点
- 高血圧症を主病とする場合620点
- 糖尿病を主病とする場合720点
生活習慣病管理料は、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者の治療においては生活習慣に関する治療管理が重要であり、計画を策定し、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒及びその他療養を行うに当たっての問題となる生活習慣に治療管理を行った場合に、許可病床数が200床未満の病院及び診療所である保険医療機関において算定する。この場合に、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施しても差し支えない。
情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導の評価の見直し
出典:議事次第296ページから
外来栄養食事指導料1及び2について、初回から情報通信機器等を用いて栄養食事指導を行った場合の評価を見直す。
改定案【外来栄養食事指導料】
外来栄養食事指導料1
- 初回
- ①対面で行った場合 260点
- ②情報通信機器等を用いた場合 235点
- 2回目以降
- ① 対面で行った場合 190点
- ② 情報通信機器等を用いた場合 170点
外来栄養食事指導料2も1と同様。算定点数は未決定
外来化学療法に係る栄養管理の充実
外来栄養食事指導料において、外来化学療法を実施しているがん患者に対して、専門的な知識を有する管理栄養士が指導を行った場合の評価を新設する。
出典:議事次第342ページから
【外来栄養食事指導料】
外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者に対して、医師の指示に基づき当該保険医療機関の専門的な知識を有する管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に限り、月1回に限り260点を算定する。
悪性腫瘍の患者の栄養管理に係る専門の研修を修了し、当該患者の栄養管理を行うにつき十分な経験を有する専任の常勤の管理栄養士が配置されていること。
おしまい