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臨床栄養・上級者への道【Tips】Vol.2

病院で働きだして業務に慣れた。養成校時代の教科書では物足りなくなってきた3~4年目以降の栄養士、病棟での栄養管理に興味を持ち始めた医療職向けの記事で、そのVol.2です

記事を書いている私は、栄養士として10年以上の経験があり、今は入院患者さん向けの栄養管理を主な業務としています。 私がTwitterで発信している「1日ひとつだけ強くなる」をまとめました。

この記事は体系的ではありませんので、知らないトピックスがあれば、さらに調べてご自身の学習を進めるきっかけ作りに活用いただければと思います 。

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✔本記事の内容

 臨床栄養の35トピックス ~一日ひとつだけ、強くなる~ 
36日目

直腸切除 3箇所の区分、高位前方切除はSA.低位前方切除はABと略されてる。
術直後は合併症が無ければ数日で食事開始。退院前の栄養指導は制限特に無し。手術箇所は直腸なので何を食べてもほぼ同じ。

37日目

経管で食塩水を投与するには経腸栄養剤のカード化に注意。
経腸栄養剤は原則そのまま投与で設計されている。
食塩によりカード化を起こしてチューブ閉塞する事がある。Naはルートがあれば、点滴。無ければ食塩水→フラッシュ→経腸栄養→フラッシュの順

38日目

MCVで貧血の鑑別、MCV<80で小球性貧血,さらに血清フェリチンが低い場合は鉄欠乏性となる。🌚この場合は経口での鉄付加は有効かもしれない、消化管出血で無ければ。Hbが低下で、MCV確認。大体、主治医が把握して栄養士が動かなくても良い事が多いけど

39日目

急性胆管炎、2つ該当で中等症‬

  1. WBC>12,000or< 4,000/mm3
  2. 発熱(体温≧39℃)
  3. 75歳以上
  4. 黄疸(総ビリルビン≧5mg/dL)
  5. ALB(<健常値下限×0.73g/dL)

‪上記に該当せず初期治療に反応のない場合も中等症‬.‪重症度によっては無脂肪栄養剤で絶食軽減‬

40日目

ワルファリン服用者へ適切なビタミンK摂取量
25~325 μg/日に収め,日ごとの変動は292 μg未満。150 μg/日程度が理想。
ちなみに納豆は1pが約400μg。
青菜系も意外と多い。献立を立てる人は知ってる。
△青汁を飲んではダメ
○ビタミンKを取り過ぎがダメ

41日目

■リハを実施されている高齢脳血管患者に強化型栄養療法は行うべきか?
 👉行う事を弱く推奨。
リハ中の急性期高齢の脳血管患者、死亡、感染、合併症を減らしQOL向上。
栄養療法は投与経路・量を選択して補助栄養剤や高タンパク質食品、サプリを考慮

42日目

急性胆管炎、下のいずれかの場合は重症

  1. 循環障害(ドーパミン≧ 5 μg/kg/min,orノルアドの使用)
  2. 中枢神経障害(意識)
  3. 呼吸障害(PaO2/FiO2比<300)
  4. 腎障害(乏尿かCr>2.0mg/dL)
  5. 肝障害(PT─INR> 1.5)
  6. 凝固異常(血小板<10万/mm3)

重症のときは食事は流石にダメかな

43日目

medline sift‬
‪🧠脳に出来た血腫により脳の中心が血腫の反対側へ押しやられる事。脳室が小さくなる‬.
‪急性期で脳浮腫が大きい時は嘔吐しやすい🤮‬
‪胃内からの経腸栄養をするなら、少量・低速。乳清ペプチド考慮

44日目

乳清ペプチドは、乳清たんぱく質をさらに分解したモノ。胃液によるたんぱく変性を受けにくく、消化吸収がよい
脳卒中急性期に嘔吐のリスクを警戒する場合、乳清ペプチド消化態流動食は胃が空っぽの時間を長くして、嘔吐リスクを下げる.
ペプタメンですね

45日目

たんぱく質同化抵抗性。若年者では、一定のアミノ酸血中濃度の上昇により筋たんぱく質の合成が促進されるが、高齢者ではより高い血中濃度を維持しないと若年者と同等の筋たんぱく質合成は行われない。
私は高齢者は1.1g/kg体重を基本に目標タンパク質を考えています

46日目

座位と臥位で血清アルブミン値は違う。臥位の方が低く出ます。
座位では平均5%、臥位より高くなります。
当院では、外来が座位、入院中はベッド上🛏臥位で採血するので、誤差が出る。
栄養評価に重要ですので、知らなかった方は確認すべし

47日目

フロセミドで味覚異常の副作用。ループ系利尿薬。
味覚異常は亜鉛不足が有名ですが、薬剤系を調べると立ちくらみが起こりそうなくらい沢山種類がありました
味覚異常と言っても、変化、先鋭化、鈍化等色々ですよね。まずは傾聴、口腔内観察、薬剤チェック

48日目

膵頭十二指腸切除、膵胃吻合と膵腸吻合の術式による術後合併症の差無し
糖尿あれば術後の胃排出遅延がさらに起こりやすい、神経障害があるので
この場合は糖質・形態・エネルギー密度を調整。カロリー不足続けばEN考慮

49日目

タンパク質は朝昼晩を均等に取った方が有意に同化率が良い。エビデンスあり。
あさはパンだけじゃなく、牛乳か🥛卵🍳!ラーメンだけじゃなく、唐揚げもセット?!

50日目

SSI予防のための栄養管理推奨
術前栄養不良のある患者はSSI発生率が高く術前に栄養状態を改善する
当院でもたまに術前低栄養管理で入院される方がいます。
多めの㌍、タンパク、免疫栄養管理します
ちなみにJSPENガイドラインでは2週程度が介入の目安期間

51日目

人工甘味料の許容量(ADI)。/kg体重/1日あたり

  • アスパルテーム 40mg
  • アセスルファムK 15mg
  • スクラロース 15mg
  • エリスリトール 安全性が高いのでADI無し、

しかし、肝心の食品含有量が分からない。問い合わせても❌
トクホなら安全試験はクリアしてるが

52日目

食後に血液検査値が上がるので代表的なのは遊離脂肪酸・血糖・中性脂肪・ALP・アンモニア。
アンモニアは食後1~4時間で2倍程度まで上がる
病棟で採血が空腹時に測られていなかった時の絶望感🙄
看護師さんがどう動いてるか確認

53日目

上部消化管出血後(食道静脈瘤以外)の食事、内視鏡での止血が得られていたら、24時間以降で食事開始
再出血がは3日以内が高頻度な為、止血しやすい透明の液体が無難か
実際には、感覚的に食形態が決められている印象。早めの形態アップで早期退院

54日目

短鎖脂肪酸
大腸粘膜の血流増加、増殖促進、バリア機能増強、免疫機能調節などの大腸の機能維持に重要
販売されている食物繊維ではPHGGが短鎖脂肪酸の発生量が1番多いと言われている。腸内細菌製剤ではミヤBM
シンバイオティクス最強はこの組み合わせか

55日目

糖尿病受診中断マニュアル
糖尿病の受診中断率は年8%。J-DOIT2が根拠
マニュアルでは「栄養指導・療養指導は受診中断の軽減に有効である」との事😳
栄養ケアステーションも紹介されている
頑張れ我等が栄養ケアステーション🤩

56日目

アミノ酸の輸液投与速度、基準は0.2g/kg/時 以下‬
‪体重50kgの人にアミパレン単体を100ml/hで投与する事になりますね…‬
‪npc/nなどを考慮すると、栄養のチェックが入っていたらほぼ起こらないです‬
‪キット製剤だとグルコース速度がまず引っかかるだろうし

57日目

急性肝炎、治療は保存的治療が主体 安静
安静にしていると、肝血流量は座位にくらべて50%⏫
食事は糖質主体の低エネルギー
輸液はグルコースと電解質を基本、必要に応じてVit・ミネラルの補充
急性期のアミノ酸・脂肪輸液についてはコンセンサスがない

58日目

胃十二指腸潰瘍の臨床像の違い、心窩部痛
胃では食後に多く、食事摂取で改善しない。
十二指腸は空腹時、夜間に多く食事摂取により改善する事がある。
とはいえ、入院患者さん向けの仕事をしていると恵まれていて、ほぼ診断が付いている

59日目

食事中の足元にご注意
嚥下音やゴロ音、姿勢、歯etc…
高齢患者さんの食場面ではチェック箇所が沢山ありますが、足元のは済んでいますでしょうか
足が浮いていては食べにくい。

試しに足を浮かせて食事してみて下さい。若者でも結構しんどい

60日目

膵頭十二指腸切除術後のドレーンチェック
膵空腸吻合部のドレーンがワインレッドになったら膵液漏かも
ドレーンamyをチェック。
腸瘻あって無脂肪栄養剤でも膵臓を刺激するかも。答えとなる文献なし
ドレナージは効いている?
主治医と協議、絶食検討

61日目

膵頭十二指腸切除後の栄養
高度侵襲なのでタンパク質を検討
膵臓を切るので糖代謝異常出やすい、糖質を検討
膵臓を切るので膵酵素分泌低下、脂質を検討
胃内排出遅延がよくある、食形態、分割検討
膵液漏でEN、TPN等のルートを検討

62日目

慢性肝炎患者さんの低亜鉛血症はサルコペニアの独立した因子
低亜鉛血症の病名が付けば、ノベルジンが主治医から処方されますね。しかし、食品を併用してもなかなか上がらない…急性期の入院では改善困難

63日目

C.difficile感染症のリスク因子にALB値低下あり
知りませんでした。大体院内で発症するから弱ってる人がなる印象でしたが、感覚と合っていたかも
発症したら栄養でやる事は変わりませんが、お薬は新しいのがでますね。結果的に栄養も再検討が必要かな

64日目

低FODMAPダイエットは過敏性腸症候群の症状を改善
発酵性の高いオリゴ糖、二糖、単糖、およびIBS症状を悪化させたりするポリオールを含む食品を制限
JDDWで知りました。

65日目

輸液投与されるビタメジンはビタミンを全て網羅していない、B1、B6、B12のみである
ちなみに高カロリー輸液用ビタジェクトは網羅.しかし、含有量は違う
refeeding syn時のB1を補充は200〜300mg/日必要なのでビタメジンとアリナミンFを併用する必要がある

66日目

エネルギー必要量の60%以下しか栄養摂取できない状態が1週以上続くと予想される場合に栄養療法を考慮


※ESPENガイドライン
私は主治医に対象患者の病態で見通しを確認、上記に該当、もしくは目処が無い場合は強制栄養提案
コツは主治医に言わせる事😈

67日目

パントテン酸は術後腸管麻痺の予防目的で投与される
特に下部の外科の先生はほぼ投与される印象。自分が勉強不足だったのかも知れないが、学校の教科書に無かったと思う。
でも消化器外科では当たり前だった

68日目

脂肪便の明確な定義は無いが、私が聞いたのは脂肪40-60g/日摂取時に5g以上の糞便中の脂肪排泄と。
ちなみに膵性脂肪便は、有形で淡黄色の光沢がある。必ずしも下痢ではない
やめ時が困難になるので、いきなり低脂肪食では無く、病態、薬剤等をチェック

69日目

小野寺のPNI、元文献を読むとPNI≦40で吻合禁止 とされている。
しかし、定式に入っているALBの測定方法か当時と違うらしい
当時はBCG法、今は改良BCP法で今の方が低めに算出される。

だから、吻合禁止の数値でもバンバン手術するんですね🙄

70日目

心不全のスクリーニング。NT-BNP≧400pg/mlまたは、BNP≧100pg/mlで心不全疑い。
心エコー結果を見に行こう😆
水の調整を主治医と協議

つづく

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