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病院で働く栄養士の仕事内容【大変だけじゃない】

管理栄養士(以下栄養士と記載)の仕事に興味があるけど、仕事内容知りたい。栄養士の養成校に入ったけど、将来働く領域で迷っている・・・。

栄養士になるか考えている方、栄養士になると決めたけど領域について悩んでいる方への記事です。

✔本記事の内容

・病気の人への栄養管理
・給食の管理
・病院で働いている栄養士の感想 【おまけ】 

病院栄養士の仕事をざっくり言うと、「病気の人への栄養管理」と「給食の管理」です。

栄養士として10年以上はたらいている管理人の都(みやこ)が病院ではたらく栄養士の仕事をまとめました。私は3か所の病院での勤務経験がありますので、その経験にもとずく記事です。

注意点

3か所の病院勤務で分かった事は、病院栄養士の仕事は病院によってかなり違うことを覚えておいて下さい。 「病気の人への栄養管理」と「給食の管理」 の仕事の比率が病院によって違います。

この記事に書いてある事が病院栄養士の全てではありませんが、コアとなる仕事はわかると思います。では、順番に示していきます。

目次

病気の人への栄養管理

ベッドサイドの医療者

病気の人に適した栄養を考える仕事です。以下の2つに分類して示していきます。

  • 入院患者さんへの栄養管理
  • 通院患者さんへの栄養管理
入院患者さんへの栄養

病気が原因で入院される患者さんに対して、適切な栄養を考えます。主治医が患者さんへの栄養をどうするか決定しますが、その主治医へ栄養の内容を栄養士が提案できます。うまくいくと提案した内容がそのまま主治医の決定になりますので、治療に直接つながります。重要な仕事です。

給食として提供する食事以外にも、チューブから消化管へ入れるの液体食(経腸栄養)や点滴の内容を主治医から相談される事もあります。

入院患者さんへ栄養のアドバイス(栄養指導)も行います。入院中に2回までなら、医療保険から報酬(お金)を頂けますので、1回目入院中の食事、2回目退院してからの食事といったパターンで患者さんと話しをします。

最近は医療が進化しすぎて主治医一人では全てカバーできなくなっています。栄養は栄養士が考えると、医師は他の事に労力をさけるので、社会的にも重要で盛り上がっています。ここ10年くらいのトレンドです。

通院患者さんへの栄養管理

病気で病院へ通っている患者さんに対して、適切な栄養を考えます。ほとんどの場合が栄養アドバイス(栄養指導)を行う事になります。適切な栄養を考え、修正がいる場合は患者さんへアドバイスを行います。

入院患者さんの栄養は食べている食事が給食なのでどれだけの栄養を摂取しているか分かります。しかし、通院患者さんは当然わかりません。患者さんからの情報(主にしゃべり)で予想することになります。栄養の知識も必要ですが、コミュニケーション能力が問われますね。

この数行では書ききれないほどの仕事です。奥が深いです。

給食の管理

厨房イメージ

主な仕事は提供する食事にかかわる書類上の仕事と厨房の仕事です。下記に分類して示していきます。

  • 机に向かってする仕事
  • 厨房での仕事
机に向かってする仕事

患者さんに提供する献立を考えます。どのような料理にするのか、どの食品をどれくらいの量使うのかを考えます。病気の患者さんは健康な人とは違い、栄養素の制限や強化が必要なことがあります。よって、栄養素の違う献立を沢山考える事になります。厨房や食材、人材などの資源には限りがありますしし、決まった栄養素を提供できるよう考えないといけません。

献立以外にも、厨房の衛生チェックをしたり、働いている人の事を考えたり、自分たちの仕事の記録をしたり、栄養素を扱う以外の事も沢山あります。

給食がよい状態であるように気を配り、必要な手段を(組織的に)使ってさばきます。 広い視点で物事をみる力が必要です。

厨房での仕事

患者さんに提供する食事を作ります。小学校の時にみた「給食のおばちゃん」のイメージですね。入院患者さんへの食事ですから、患者さんによって食事内容が異なります。食事のかたさや栄養素が違うので沢山の種類を同時に作ったり、配膳したりします。肉体労働です。

病院によっては、栄養士が仕込みから調理、配膳、食器の洗浄まで全て行うところもあります。 上流の仕事が下流に影響する(例:仕込みが出来ていないと料理が作れない)ので、自分の仕事が直接他人の仕事へ影響します。 調理師のおっちゃん、パートのおばちゃんと仕事をすることが多く、チームワークが大切です。

クリニックや医院は入院する設備がありませんので、給食は提供しません。また、給食を代わりにやってくれる会社があるので、入職した病院がその種の会社を利用していれば、給食管理はしない事もあります。

病院で働いている栄養士の感想 【おまけ】

未来

私が今まで経験した病院業務の感想です。

  • 苦労した/している事
  • やりがい
苦労した/している事

病気の人への栄養管理は知識が沢山必要。栄養士養成校では医学の教育が十分ではないので、仕事をやりつつ基礎から最新の論文まで幅広く勉強する必要があります(しかも医療は進歩するので日々変わる)。沢山の人を相手にする仕事なので患者さん、偉い医師には気を使います。

給食の管理は「管理」が大変です。ヒト・モノ・カネを考えないといけません。献立は栄養素と厨房資源の制約が多く、脳から汗が出ている気分になります

ちなみに食事の種類が50種類越える病院は珍しくありません。 しかも病状は刻々と変わるので、食事内容はコロコロ変わり対応が迫られます。

やりがい

病気の人への栄養管理は知識が沢山必要で、日々勉強をします。 最新の治療方法は栄養も含めて世界中の人が研究しています、また正解のない選択に日々迫られますが、勉強が味方になってくれます。 勉強した栄養管理の方法が患者さんへ影響しうまくいった時は凄くやりがいを感じます。

とてつもなく広い海に対面しているイメージがありますが、少しずつ分かっていき、さらに人のためになるので私はとてもやりがいを感じます。

給食の管理は「管理」が大変です 。いわゆるマネジメントです。一人のプレイヤーとして仕事を早めようと思うと、手の動きを早めたり、仕事の組み立てを考える事になりますが、効率化の限界はあります。しかし、マネジメントがしっかりしていると、10倍以上効率がよくなることもあります。仕組みがうまくいったときは凄くやりがいを感じます。また、まずいと言われる給食がおいしく出来たときは「どうだ!!」と言いたくなりますよ。

ちなみにお給料は年収300~600万円ぐらいですね。

今回は以上です。 冒頭でも書きましたが、この記事に示した内容がすべてでは無く、病院の考え方によって 「病気の人への栄養管理」と「給食の管理」 の比率が異なります。私は病院で働く事はとても楽しく・やりがい感じています。進路を迷っている方の参考になれば幸いです。

おわり

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