栄養士の卵さんは勉強の足しに。 この記事を読んでおられる現役の栄養士さんは読み物として、気軽に読んで頂ければ幸いです
✔本記事の内容
第33回管理栄養士国家試験の臨床栄養の分野のみ
過去問は第33回管理栄養士国家試験を参照することにしました。厚生労働省のホームページからの印刷です。解答も同ホームページを参照しました。※厚労省のHPでは公開が終了しています
解説はこの記事を書いている都が行いました
問題番号①(国試番号115)
臨床栄養の用語とその内容の組み合わせである。正しいのはどれか。1つ選べ
- ターミナルケア→障害者と健常者の共存
- クリニカルパス→医療の標準化
- アドヒアランス→痛みを抑える治療
- インフォームド・コンセント→重症度の判定
- ノーマリゼーション→情報開示に対する患者の権利
解答
- ×
- 〇
- ×
- ×
- ×
解説
- × ターミナルケアは明確な定義は困難ですが、死期が近い患者さんへ症状緩和(ケア)を行う事ですね
- 〇 クリニカルパスはこの治療はこの手順と、あらかじめ定めておく事ですね。手順は過去の研究等から有効な手法を選びます。例:胃の切除術→術後1日目に流動食、2日目3分粥、3日目5分粥…
- × 病気に対する治療方法について、患者さんが十分に理解し、服用方法や薬の種類に十分に納得した上で実施、継続することを指します。
- × インフォームド・コンセントは十分な説明と同意ですね。医師による病状・治療の説明を行い、患者さんが納得した上で同意を得ることです
- × ノーマリゼーションは障害者と健常者の共存、設問1の文章ですね
問題番号②(国試番号116)
診療報酬における栄養食事指導料の算定に関する記述である。2つ選べ。
- 外来患者は、初回20分の栄養食事指導で算定できる
- 小児食物アレルギー患者の外来栄養食事指導料は、9歳未満の場合に算定できる
- 入院栄養食事指導料は、入院期間中に3回算定できる
- 集団栄養指導料は、外来患者と入院患者が混在した場合も算定できる
- 集団栄養指導料の算定は、1回の対象者数の上限が20人である
解答
- ×
- 〇
- ×
- 〇
- ×
解説
- × 外来患者は、初回は30分、2回目以降は20分以上栄養食事指導で算定できます。初回は生活習慣・対象患者の聞き取りがあるので時間沢山設定されている
- 〇
- × 入院栄養食事指導料は、入院期間中に2回算定できます。入院時に入院中の栄養指導、退院前に退院後の在宅での栄養指導を行うのが一般的です
- 〇 もし算定できなければ現場がとても混乱します
- × 集団栄養指導料の算定は、1回の対象者数の上限が15人
問題番号③(国試番号117)
25%ブドウ糖基本輸液1,200ml(1,200kcal)、総合アミノ酸製剤600ml(400kcal、窒素量9g)、20%脂肪乳剤(200kcal)を投与した。この時のNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)である。正しいのはどれか1つ選べ
- 44
- 67
- 133
- 156
- 200
解答
- ×
- ×
- ×
- 〇
- ×
解説
非たんぱく質エネルギーは、たんぱく質以外のエネルギー
- 糖質(g)×4で糖質のエネルギーが分かります(例:糖質2gで8kcal)
- 脂質(g)×9で脂質からのエネルギーが分かります(例:脂質2gで18kcal)
NPC/N比は文字とおり、非たんぱく質エネルギー÷窒素量gで算出
設問中の数値を当てはめると(すでにエネルギーが設問中に記載されています)下記のようになります
非たんぱく質エネルギー:25%ブドウ糖基本液(1200kcal)+脂肪乳剤(200kcal)=1400kcal
非たんぱく質エネルギー(1400kcal)÷窒素量(9g)→1400÷9=155.5
解答156
ブドウ糖基本液はブドウ糖(糖質)のみで構成されている。脂肪乳剤も脂質のみで構成されています。
問題番号4(国試番号118)
経腸栄養剤の種類とその特徴に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ
- 成分栄養剤の糖質は、マルトースである
- 成分栄養剤の窒素源は、ジペプチドである
- 消化態栄養剤の糖質は、キシリトールである
- 消化態栄養剤の窒素源は、たんぱく質である
- 半消化態栄養剤の糖質は、デキストリンである
解答
- ×
- ×
- ×
- ×
- 〇
解説
- × 成分栄養剤(ほとんどの場合エレンタール)の糖質はデキストリンが用いられています。
- × 成分栄養剤の窒素源は、アミノ酸です。アミノ酸が2-3個くっついたモノをペプチドといいます
- × 消化態栄養剤の糖質はデキストリンですね。
- × 消化態栄養剤の窒素源はペプチドですね。むしろ、窒素源がペプチドの栄養剤が消化態栄養剤と捉えて良いでしょう
- 〇
問題番号5(国試番号119)
栄養素とその欠乏の評価に用いる臨床検査項目の組み合わせである。正しいのはどれか。1つ選べ。
- たんぱく質—尿中ケトン体
- ビタミンB1—プロトロンビン時間
- ビタミンC—尿中ビリルビン
- カルシウム—血清トリグリセリド
- 鉄—血清フェリチン
解答
- ×
- ×
- ×
- ×
- 〇
解説
- × 尿中ケトン体は糖代謝障害や糖質の摂取不足で陽性になります。体の中の糖質が無くて飢餓状態のとき、ケトンをエネルギー源として使うためですね
- × プロトロンビン時間は血液凝固の異常を調べる項目です。凝固系で関係がある栄養素はビタミンKですね
- × 尿中ビリルビンは肝・胆道系の異常を調べる検査ですね。血中のビリルビンが上昇すると尿から排泄されます。肝臓・胆道系に異常があれば血中のビリルビンが上昇します
- × 血清トリグリセリドはいわゆる中性脂肪ですね。過栄養状態や脂質異常などの評価項目に使われます
- 〇 血清フェリチンは体内に貯蔵されている鉄の評価に使います。ちなみに血清鉄は血液中に存在する鉄の評価。一時的に血液中の鉄が少なくなっても体内に貯蔵されていれば時間経過で改善する事がわかります
つづく