栄養士の卵さんは勉強の足しに。 この記事を読んでおられる現役の栄養士さんは読み物として
✔本記事の内容
第34回管理栄養士国家試験の臨床栄養に関係のある分野のみ
過去問は第34回管理栄養士国家試験を参照することにしました。厚生労働省のホームページからです。解答も同ホームページを参照しています。
解説は現役管理栄養士の私、都が行いました
問題番号①(国試番号14)
わが国の医療制度に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ
- 医療計画は、国が策定する。
- 基準病床数は、医療計画に含まれる。
- 災害時における医療の確保は、医療計画に含まれる。
- 三次医療圏とは、最先端または高度な医療を提供する医療圏を指す
- 20床以上の病床を有する医療施設を病院という
解答
※内容が誤っている設問に×
- ×
- 〇
- 〇
- 〇
- 〇
解説
- × 都道府県が策定しています。地域の実情に応じて作成されるので、対応ができる都道府県が策定するものと思われます
- 〇 基準病床数は「この地域にこれくらいの数の医療機関が必要」を定める数です。病床の地域的偏在を是正し、全国的に一定水準以上の医療を確保する事が目的です。
- 〇 設問文章の通り
- 〇 設問文章の通り。都道府県の範囲が3次医療圏です。
- 〇 設問文章の通り。19床以下を「診療所」として扱っています。医院やクリニックも含まれますが、明確な定義は無いようです
問題番号②(問題番号15)
最近の国民医療費に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ
- 国民医療費は後期高齢者医療給付分を含む
- 国民医療費は、正常な妊娠や分娩に要する費用を含む
- 1人当たりの国民医療費は、年間約20万円である
- 65歳以上の1人あたり国民医療費は、65歳未満の約2倍である
- 疾病分類別医科診療医療費が最も高い疾患は、新生物である
解答
- 〇
- ×
- ×
- ×
- ×
解説
まず、国民医療費の概念を示します。病気やケガをしたときに治療にかかった費用の事です。病院窓口で支払っているお金はその一部で、残りは毎月給料から天引きされているアレ(サラリーで働いている人)でまかなわれています。経済力が落ちる未成年・高齢者は負担額が経済力の程度に応じて少なくなります。
- 〇 後期高齢者とは75歳以上の高齢者の事で、上記説明の通り窓口で支払う金額(負担額)が現役世代より軽くなっています。働いていない場合が多い事が理由と思われます
- × 医療費は病気やケガを対象としています。正常な妊娠や分娩はヒトの通常の営みですので対象外です。
- × 平成30年のデータで年間約34万円です。参考:厚生労働省・国民医療費
- × 65歳以上だと病院にかかる頻度は若い人より多くなるので、医療費が多くなりますが、厚労省の資料を確認すると2倍までにはなっていません。参考:厚生労働省・国民医療費
- × 新生物(がん)は2位です。1位は循環器系。考えられる一つの大きな要因は、循環器系には高血圧が含まれます。高血圧は人数が多く、すぐに亡くならないし、お薬を飲み続けるのでお金(医療費)がかかります。がんは大変な病気ですが、亡くなってしまうのでお金がかかる期間は循環器と比べて短い。もちろん、他にも考えられる要因は沢山あります。
分かりやすさを重視して言葉を選んでいません。不快に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご理解下さい。
問題番号③(国試番号17)
器官・組織とその内腔を被う上皮細胞の組み合わせである。最も適当なのはどれか。1つ選べ
- 食道-移行上皮
- 胃-重曹扁平上皮
- 小腸ー線毛上皮
- 血管ー単層扁平上皮
- 肺胞ー円柱上皮
解答
- ×
- ×
- ×
- 〇
- ×
解説
単層扁平上皮 | 物質、細胞が通過できる。血管内皮や腹膜上皮 |
重曹扁平上皮 | 物理的・科学的刺激に耐性がある。食道や皮膚の表皮 |
立方上皮 | 腺の導管、尿細管 |
円柱上皮 | 分泌や吸収機能に適している。胃や腸の粘膜 |
線毛上皮 | 線毛で物資を運ぶ。気道、卵管、精巣輸出管 |
移行上皮 | 内容量に応じて形態を変える。膀胱、尿管 |
上皮組織
つづく