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臨床栄養・上級者への道【Tips】Vol.15

病院で働きだして業務に慣れた。養成校時代の教科書では物足りなくなってきた病院栄養士向けの記事です

この記事は私がTwitterで発信している「1日ひとつだけ強くなる」をまとめました。

体系的ではありませんので、知らないトピックスがあれば、ご自身の学習を進める足がかりにしていただければ と思っています。1日目(Vol.1)~はこちら

✔本記事の内容臨床栄養のトピック25項目

376日目

慢性膵炎とサルコペニア

膵外分泌機能不全は、サルコペニアの独立した因子とされている。
海外の後ろ向き研究では、5人に1人がサルコペニア
慢性膵炎のサルコペニアは入院リスクになる。

膵酵素補充と栄養療法が有用とされている

377日目

天然にビタミンD活性を有する化合物はキノコに含まれるvitD3、魚肉類に含まれるvitD3がある

同族体であり両者の換算は困難なので、食事摂取基準では区別せず合計量で算定されている

378日目

重症急性膵炎の経腸栄養剤

消化態栄養剤の有用性は空腸からの投与であれば、膵外分泌の刺激になりにくく、腸管機能が低下していても吸収に期待が出来る。一方、半消化態でも問題なく投与出来るとの報告もあり、明確な使い分けの判別方法は無い

379日目

重症急性膵炎の経腸栄養剤2

n3系脂肪酸と抗酸化ビタミンを配合した免疫調節栄養剤が、膵炎の病勢を抑制するとして期待されたが、明確な有用性を示した報告は見当たらない
エレンタールを用いる場合は脂質不足になるので、脂肪の投与は検討する必要あり

380日目

周術期の免疫栄養

膵頭十二指腸切除に対して、術前からのインパクト®︎が術後の感染性合併症を減らす模様

手術自体の技術が上がってきているので、合併症が減っているため、免疫栄養の有効性が調べにくくなってる様子。
そこまでパワーが無いのかな。

381日目

食事摂取基準は英語でDietary Referene Intakes らしい
refer は参照、照らし合わせるという意味。
照らし合わせるのには2つの値が必要で、基準値と摂取量が必要
日本では基準の数値だけ使おうとしがち。とのことである

食事記録難しいんですよね

382日目

胃内容物の排泄

空の胃の中に下記の品を入れて、また胃内が空になる所要時間を測定すると
経口補水液>水>標準的な栄養剤

となった報告がある。

経口補水液には電解質が含まれている水で、オーエスワンやアクアソリタ、アクアファン等がある

383日目

vit D

欠乏により石灰化障害(骨軟化症)が惹起される
軽度の不足であっても腸管からのカルシウム吸収低下と腎でのカルシウム再吸収が低下して低Ca血症となる。これにともない骨からCaが出動することになり、骨粗鬆症、骨折リスクが上がる

384日目

Vit D欠乏とはいえない不足の状態であっても、継続すると骨粗鬆症性骨折のリスク

内分泌と骨代謝学会により発表された指針では30ng/ml未満を不足、20ng/mlを欠乏とした
で、この参照値を採用した研究では、欠乏/不足者の割合が女性で88%に達した。うーん・・・

385日目

vit D

最近、vit D不足が転倒のリスクである事が示されている。
椎体骨折以外の骨粗鬆症性骨折はほとんどが転倒によって起こる

vit Dは骨折予防に寄与していると考えられているが、フレイル予防としてコンセンサスを得られた目標量は設定されていない

386日目

透析患者さんの体液管理
栄養士としては…

  • 最大透析間の体重計管理を最大5%以下に
  • 体重増加が多ければ食塩制限
  • 低Na血症で水分制限
  • 食事からの水の量を確認

387日目

vit Dの留意

vit Dの特徴として、紫外線の作用によって皮膚でかなりの量が産生されている
緯度・季節・屋外活動量・サンスクリーンなどによって大きく変わるので、個人によって必要量が異なる。日照の機会が少ない人は必要量が目安量より多くなるかも

388日目

vitB1

補酵素型のThDPとして存在。グルコース代謝と分枝アミノ酸代謝などに関与。欠乏により神経炎や脳組織への障害が生じる。欠乏症は脚気、ウェルニッケ症候群がある

389日目

ビタミンB1の体内飽和

vitB1は摂取量が増えると肝臓内の量が飽和して、同時に血中内の量が飽和する。この条件が整うと、はじめて尿中の排泄が認められ、それ以降は摂取量の増加に伴い直線的に増大

食事摂取基準ではこの変曲点を必要量と考えられている

390日目

輸液に用いられる糖質

  • ブドウ糖
  • フルクトース(果糖)
  • ソルビトール
  • キシリトール
  • マルトース

果糖は日常的な摂取しているが、血液中にはほとんど存在しない。血中からの消失はブドウ糖より早いとされている。

391日目

脂肪酸の分類

  • 短鎖脂肪酸(SCFA)
  • 中鎖脂肪酸(MCFA)
  • 長鎖脂肪酸(LCFA)

中鎖脂肪酸(MCFA)単素数6〜12で門脈を経由して肝臓で代謝される。
皮下脂肪に蓄積しにくい

392日目

ナトリウム

ナトリウム(sodium)は原子番号11番。元素記号Na
細胞外液の主要な陽イオンで細胞外液量を維持している。胆汁、膵液、腸液などの材料。健康で通常の食事をしていれば不足は起きない

393日目

ナトリウムの消化吸収

摂取されたナトリウムは大部分が小腸で吸収。空腸では糖質の存在によって促進される。回腸では糖質とは無関係

損失は皮膚、便、尿。90%以上が尿からの排泄

394日目

ナトリウムの推定平均必要量は600mg/日

日本人の平均摂取量は約10gなので、通常の生活では不足しない。

ただし、汗を高度にかくような仕事に従事していると注意

395日目

塩分6g/日

欧米の大規模臨床研究の結果から見ると、少なくとも6g/日前半まで食塩摂取量を落とさなければ降圧は達成できていない
これが各高血圧ガイドラインの塩分設定の目標で、欧米ではさらに厳しい減塩を求める動きもある

396日目

Na/K比

感受性の個人差はあるが、Naが血圧の上昇に関与している
一方、Kは血圧を低下させる方向へ働くので摂取する両者の比率が重要と考えられている
摂取比を下げる事で降圧効果が見られた報告がされている

397日目

カリウム(potassium)

原子番号19番、原始記号K のアルカリ金属元素
野菜や果物に多く含まれるが、加工や精製度が進むにつれて含量は減少する
細胞内液の陽イオンで体液の浸透圧を決定する要因のひとつ

398日目

FOLFOX療法(化学療法)

  • フルオロウラシル
  • レボホリナート
  • オキサリプラチン

栄養関係項目には、嘔気嘔吐、食思不振、口内炎以外にも末梢神経症状(しびれなど)がある
冷たい物に触れることで症状が惹起・悪化しやすく
アイスなど冷たい食品を控えたほうが無難

399日目

SIADH

バソプレシンの不適切な持続的分泌により体内の水分が貯留し、血液が希釈されて低Na血症などを呈する病態

  • 軽症は水制限(15~20ml/kg/日)、食塩投与200mEq/日以上)
  • 重症例では、フロセミド+高張食塩水

400日目

胃切除後の栄養指導は体重減少予防 も重要

切除後の体重減少予防を主とした指導を実施し 術後6か月後の体重減少率を評価 対照は指導無し 指導群は体重減少率が有意に低下

栄養指導では消化器症状のフォロー以外も重要

つづく

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1日ひとつだけ、強くなる。
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