病院で働きだして業務に慣れた。養成校時代の教科書では物足りなくなってきた病院栄養士向けの記事です
この記事は私がTwitterで発信している「1日ひとつだけ強くなる」をまとめました。 【426日~450日目】
低ナトリウム血症の細胞外液量による分類
- 嘔吐や下痢での細胞外液の減少
- SIADHが原因では細胞外液量の減少は見られず
- 心不全や腎不全、肝硬変では細胞外液量は増加する
低クロール血症
低Cl血症は、体の水分量の過剰や代謝性アルカローシスによって生じます。
原因としては、水分過剰、食塩摂取不足に加えて、嘔吐、経鼻胃吸引、利尿薬の使用、バーター症候群などによって生じる
経口摂取されたカルシウムは主に小腸上部で吸収される
吸収率はやや低く、成人では25〜30%程度
カルシウムの吸収は、年齢や妊娠・授乳、その他食品成分など様々な要因の影響を受ける
高カリウムの原因を大別
- 過剰摂取
- 細胞内から細胞外への移動
- 腎での排泄低下
- 偽性高カリウム
腎機能障害がある場合は、緑黄色野菜、果物、豆類などに多く含まれているので注意。また、赤血球輸液製剤や一部の抗菌薬にも含んでおり、投与が多い時に注意
乳酸リンゲル液
- 乳酸ナトリウムは体内で代謝され、重炭酸イオンを生じアシドーシスに有効
- 乳酸代謝障害や低酸素など乳酸アシドーシスの状況ではですがアシドーシスを進行させる恐れあり
ちな、乳酸は主に肝臓で代謝
マグネシウム
原子番号12、元素記号Mgの金属元素
骨や歯の形成、ならびに多くの体内の酵素反応やエネルギー産生に寄与している。
生体内には約25gなマグネシウムが存在、その約50〜60%は骨に存在
欠乏すると腎臓からの再吸収が亢進
2型糖尿とMg
Mgの摂取量とT2DMの罹患が負の相関を示した報告がある。
100mg/日のMg摂取でT2DMの発症を8〜13%減少させた報告もあるが、日本人の報告では減少が見られなかったとされる報告もあり、関係は不明
マグネシウム
リフィーディング症候群の頻度
Mgの腸管からの吸収率は40〜60%程度と推定される。摂取量が少ないと吸収率は上昇する
欠乏により様々な健康障害が出ることが報告されているが、通常の生活において、Mg欠乏と断定出来るような欠乏症が見られる事は稀と考えられている
低リンで発症(?)したとすると、過去の報告では 〜5%くらい。でも低リンの定義が曖昧で、1.0mg/dl以下、1.4以下、1.85以下など様々で重症度など層別に解析している報告もある。また、がん等の疾患別の解析もあり、カオス
身体観察からの栄養状態
■頭髪異常
頭髪の脱色は、タンパク質やビタミンB12、あるいは銅の欠乏の可能性がある。
脱毛傾向はタンパク質欠乏や亜鉛欠乏でしばしば認められる
栄養不良で起こる特徴的なフィジカルサインは分かるようにしたい
vitB1の過剰?
採血でvitB1が基準以上を示した事がある。
調べると…
10gのチアミンを毎日摂取し、頭痛などの症状、皮膚炎を引き起こす者がいた報告がある
一方で、チアミン数百mg/日を摂取させる治療がある文献もある
食事摂取基準の耐用上限は設定なし
短鎖脂肪酸の主な働き
- 大腸などのエネルギー源
- 腸内環境改善作用
- 腸管の蠕動運動の促進作用
- 免疫調整作用
- 発癌抑制や各種生活習慣病の予防作用
腸内細菌が発酵して産生
急性肝炎
- 1〜2パーセントが劇症化
- 基礎代謝が20〜25%増加
- グルコース利用が平次の50%に低下、内因性が利用率増加
- 肝グリコーゲン減少、糖新生破綻による低血糖
- 肝ケトン体産生低下
- 遊離脂肪酸の利用率低下
- 脂肪酸合成能低下
- 他多数
肺炎の評価でxp
敗血症や病原性の強い病原体に感染し、抗菌薬を開始した当初はレントゲンが悪化することがある。
レントゲンの改善は臨床パラメータよりおくれる
高齢者や慢性閉塞性肺疾患でら遅れることが知られている
リンは無機リンと有機リンに大別
カルシウムとともに骨格を形成するだけでなく、ATPの形成、その他の核酸や細胞膜リン脂質の合成、細胞内リン酸化を必要とするエネルギー代謝などに必須の成分
ベーチェット病
免疫の異常で起こる病気で症状は腹痛や血便など。血液やCT、内視鏡など。内視鏡検査では生検行う。治療はステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤を使用。
栄養は易消化の食事、PNなど。
腸管穿孔や出血が止まらない場合には手術へ
リンの維持
腎機能が正常なときは、高濃度のリンを摂取す?とPTHおよびFGF23の分泌が亢進して腎臓からのリン排泄を促進、血中のリン濃度を基準内に維持するように働く
このためリンを過剰摂取しても早朝空腹時には血清リン濃度は基準内になる。
鉄
鉄は原子番号26、元素記号Fe。食品中の鉄はタンパク質に結合したヘム鉄と、無機鉄である非ヘム鉄にわかれる。
食品から吸収された鉄は、十二指腸から空腸上部で吸収
過剰な鉄は腸管上皮細胞内にフェリチンとして貯蔵
急性肝不全の脂肪投与
ESPENのGLでは非蛋白熱量の40〜50%を推奨、日本で使える脂肪乳剤はω6脂肪酸が多いLCTの製品だけで、ω6脂肪酸代謝過程でロイコトリエン・プロスタグランジンが産生され、免疫能低下をきたす可能性がある。
よって、欠乏症予防の少量投与
抹消輸液の注意点
糖質の一般的な1日目標量は5〜7g/kgとされているが、PPNのみで充足は難しい。充足できるような小柄な方は水過剰になりやすい。アミノ酸は1日目標量は1g/kg程度とされるが、エネルギー源とともに投与しないとエネルギーとして使われる
DMの初診時の食事指導ポイント
これまでの食習慣から明らかな問題がある場合はまずその是正
- 腹八分目
- 食品の種類は多く
- 動物性脂肪は控えめ
- 食物繊維を多く含む食品を摂る
- 朝昼夕を規則正しく
- よく噛む
- 単純糖質を多く含む間食を避ける
糖尿病の発症予防とリン
リン摂取量が多いと動脈硬化は進行するが、インスリン感受性は改善するなどの報告があったり、健康な者と糖尿患者を比較すると糖尿側でリン濃度が高いといった報告もあり、現時点で糖尿予防にリン摂取量の設定は困難とされている
侵襲時の糖代謝の特徴は、肝や骨格筋でのグリコーゲン分解と、糖新生亢進により血糖が上昇
アドレナリンやノルアドといったカテコラミンさは主に自律神経を介して分泌、血圧上昇、腸管運動抑制作用がある。肝や筋組織でのグリコーゲン分解、糖新生も亢進
腎臓は、リンやカルシウム代謝調節に重要な役割を果たしており、腎機能の低下に伴って生じるリン・カルシウム・骨代謝異常は、CKD-MBD(mineral and bone disorder)と総称されている
CRBSIの発生要因【内因性】
- 栄養障害(低栄養)
- 免疫能低下
- 易感染性
- 抗菌薬投与による菌交代現象
- 他の感染巣の存在
つづく
