「栄養管理計画書の再評価はいつに設定すればいいの?」「すぐに退院する人も作成しないといけないの?」
こういった疑問をもっている病院栄養士さんはいませんか?
この記事では、病院栄養士歴10年以上の筆者が、栄養管理計画書について後輩からよくされる質問をまとめました。栄養に関する書類作成の業務の記事です
すぐ退院される人も作成?
結論:日本での統一ルールは無いので、院内のルールに沿って行うべし
栄養管理計画書は入院診療計画書の「特別な栄養管理の必要性」の項目で「有」と記載された患者さんにのみ作成する必要があります。「特別な栄養管理の必要性」の有・無をどちらにするかは、患者さんの状況によって異なります。
では、有無をどうするか?。これは国から示されておらず、「病院ごとに必要性の有無を決めるルールはあらかじめ作ってね」となっています。(この記事の最後の項目で国からの通達を示しています)
したがって、院内のマニュアルで「検査などによる〇〇日以内の短期入院は、特別な栄養管理の必要性は無し」といった具合で院内ルールを定めておく必要があります。
院内ルールに照らし合わせて、特別な栄養管理の有無が「有」となっている場合は栄養管理計画書を作成しなければなりません
もし、特別な栄養管理が必要の無い患者さんに書類だけを作成しているとすれば、院内ルールを変えた方が業務のスリム化になるので検討してみてください。
再評価の時期は?
結論:日本での統一ルールは無いので、院内のルールに沿って行うべし
再評価の期限は国から示されておらず、「栄養状態を定期的に記録」また、「必要に応じて見直す」となっています。(この記事の最後の項目で国からの通達を示しています)
したがって、再評価の期限は明確に決まっていません。
院内のルールで最短・最長となる再評価の期限を設定し、患者さんごとの状況に応じて更新頻度を決めている病院が多いと思われます。
院内ルールは病院の環境によって設定。例えば、急性期病院と療養型病院では患者さんの状況は全く異なりますよね。
ちなみに、再評価の期限は最長を1か月と区切っている病院が多いと思います
退院時の評価は誰がするの?
結論:医療従事者なら誰でもよい
栄養管理計画は、“管理栄養士、医師、看護師、その他の医療従事者が共同して行う“と国からの通達で記載されています
医療従事者の誰が行ってもよいため、筆者の経験では看護師が最も多いです。退院の情報を漏れなく得ているからだと思われます
“その他栄養管理上解決すべき課題”に何を書くの?
患者さんの疾患や気持ち、社会的環境から栄養管理上の解決すべき課題をかく場所です。
食事・栄養以外の課題を書きましょう。例えば、義歯や食姿勢、退院後の宅配食の手配など。入院中であればなにか課題はあると思われます。
記載すべき事柄が無ければ、「特記事項なし」として空白は埋めておきましょう。また、課題以外のことを書くのはやめましょう。
栄養管理体制の基準
いわゆる国からの通達、厚生労働省が出してるルールを載せておきます
栄養管理体制の基準
基本診療科の施設基準等〔 4入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制の基準〕
- 当該病院である保険医療機関(特別入院基本料等を算定する病棟のみを有するものを除く)内に、常勤の管理栄養士が1名以上配置されている。
- 管理栄養士をはじめとして、医師、看護師、その他医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備し、あらかじめ栄養管理手順(栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価、栄養管理計画、定期的な評価等)を作成する。
- 入院時に患者の栄養状態を医師、看護職員、管理栄養士が共同で確認し、特別な栄養管理の必要性の有無について入院診療計画書に記載している。
- 3.において、特別な栄養管理が必要と医学的に判断される患者について、栄養状態の評価を行い、医師、管理栄養士、看護師その他の医療従事者が共同して、当該患者ごとの栄養状態、摂食機能及び食形態を考慮した栄養管理計画書(別添6の別紙23又はこれに準じた様式とする)を作成している。なお、救急患者や休日に入院した患者など、入院日に策定できない場合の栄養管理計画は、入院後7日以内に策定する。
- 栄養管理計画には栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法、特別食の有無等)、栄養食事相談に関する事項(入院時栄養食事指導、退院時の指導の計画等)、その他栄養管理上の課題に関する事項、栄養状態の評価の間隔等を記載する。また、当該計画書又はその写しを診療録等に添付する。
- 当該患者について、栄養管理計画に基づいた栄養管理を行うとともに、当該患者の栄養状態を定期的に評価し、必要に応じて栄養管理計画を見直している。
- 特別入院基本料を算定する場合は、1~6までの体制を満たしていることが望ましい。
- 1.に規定する管理栄養士は、1か月以内の欠勤については、期間中も1.に規定する管理栄養士に算入することができる。なお、管理栄養士が欠勤している間も栄養管理のための適切な体制を確保している。
- 当該保険医療機関(診療所を除く)において、管理栄養士の離職又は長期欠勤のため、1.に係る基準が満たせなくなった場合、地方厚生(支)局長に届け出た場合に限り、当該届けてを行った日の属する月を含む3か月間に限り、従前の入院基本料等を算定できる
疑問がでてくれば、このルールを踏まえて業務をすれば良いですね
おしまい
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